マンモグラフィ施設・画像評価からのお知らせ

「極めて高濃度」の圧迫乳房厚が30mm以上を目安とした理由について

脂肪が少ない薄い乳房では、“高濃度”よりに分類される傾向にあります。
特に、小乳房は画像処理の影響により、乳腺実質がほぼ等濃度でコントラストがやや不足の「見かけ高濃度」画像となる傾向がありますが、病変があっても病変の検出は困難ではないことが多く、ガイドラインの分類「極めて高濃度:乳腺実質内に脂肪の混在は少なく、病変の検出がより難しい」に該当せず、施設画像評価の高濃度症例として不適切な画像です。

従いまして、乳房の構成の事前審査にて、極めて高濃度乳房の症例として圧迫乳房厚が20mm前後の「見かけ高濃度」の画像をご提出の施設には、これまで再提出をお願いしておりました。

アナログの画像と異なり、同じ女性であってもメーカ特有の画像処理やW管球(線質)の使用により、乳腺実質がやや透けて “脂肪性”よりに見えたり、逆に乳腺実質全体が白っぽく“高濃度”よりに見えたり、ご使用の装置により乳房の構成の評価が変化します。
また、ポジショニング(乳腺組織の伸展性や圧迫圧など)も評価に影響を受けます。

精中機構では、より適正な乳房の構成の評価を目指して、ソフトコピー診断施設については主観的評価ではなく、ヒストグラム解析や画素値の計測で客観的な評価を行うことを検討しています。

令和元年 7月 4日